MUSIC SALON


text  by  KENSHO ONUKI

VOL.3 MARIANNE FAITHFUL

Hier Ou Demain / Marianne Faithful

60年代の魅力の最大のモノは情報量が今と較べて圧倒的に少ない、というところです。

それってマイナスじゃないの?という人も多いかと思いますが、実はそうじゃないんですね。何年か前にかまやつひろしakaムッシュに昔の頃の話を聞いたことがあるんですが、その時、ムッシュも「あの頃はさ、誰も何も知らないわけで、早い者勝ちだったんだよね。情報を先にゲットして先にやったヤツがある意味、尊敬される時代だったのさ」。なるほど、だから、みんな銀座の洋書店Yena」とかに集まってたのか、という、そんな時代。

今回紹介するのは、あの時代の音楽シーンに咲いた大輪の薔薇のような存在、イギリスの女性シンガーで、ストーンズのミックの恋人と言われ可憐な少女からあでやかなおとなの女性へと変貌していったマリアンヌ・フェイスフル。

最初は単なるアイドル歌手としての存在だったのが、取り巻く環境を自ら積極的に利用しながら、フランスの人気映画監督だった、フランソワーズ・トリュフォーとの交遊をきっかけに、女優への道に踏み出し、いわば「自立した」ひとりの女としてその後の人生を歩むことになった、まさに、そんな契機の60年代後半のひとコマと言うべき映画のシーンから、ご覧いただくことにします。

 

 

                                Mar.05 '12

                                                                                         KENSHO ONUKI